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ホワイトカラーエグゼンプション!

ブログ 『広告業界就職ノススメ。』 にあって、書籍『広告業界就職ノススメ。』 に載っていないシリーズが、労働法、組合について です。元大手広告会社の労働組合書記長だった筆者の鋭い切り口が感じられるコラムの数々です。

ふと、当ブログも読み返してみたら、その関連のエントリーがない。というか、そもそもカテゴリーがないじゃん! ということで新設いたしました~

残業代ゼロ制:安倍首相が国会提出断念を明らかに-今日の話題:MSN毎日インタラクティブ から

 安倍晋三首相は16日、残業の概念をなくす「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」制度を導入する労働基準法改正案について「働く人たち、国民の理解が不可欠だ。今の段階では理解を得られていない」と述べ、25日召集の通常国会への提出を断念することを明らかにした。
■解説
 この制度は残業の概念をなくし、自由な働き方を認める一方で、どれだけ働いても残業代は一切支払われない。日本経団連など財界の要望を背景に厚労省は(1)時間を自己管理でき、ワークライフバランス(仕事と家庭生活の両立)に寄与する(2)ホワイトカラーの生産性の向上につながり国際競争力を高める--などと導入の必要性を説明してきた。
 しかし、制度の対象となる30~40代の労働者は3人に1人が月80時間以上残業し、過労死の危険性が指摘される。実際、過労死、過労自殺の労災申請は毎年増え続けている。また残業代を支払わない不払い残業も依然として多い。そうした状況を放置したまま、「自由な働き方」と説明しても説得力はない。労働者の働き方を一番よく知る労働基準監督官でさえ6割が制度に反対していた。

そもそも“exemption”は、語源がexample(取り出して例示する)と同じで「取り出して除外する」の意。誰しも「除外」はされたくはないですからね。やっぱり、ネーミングは重要であると(笑)
そして「残業代ゼロ制」と名付けられて、それが浸透したことが政府・与党の失敗だったと思いますが、正確には「国民の理解を得られなかった」のではなく、選挙前に「公明党の理解を得られなかった」のが痛かったですねと(毒)

(ちゃちゃはこれくらいにして)
広告人に裁量はあるのか? という話です。広告業界は“比較的”クリエーティブな雰囲気があり、個人の裁量も多いし、労働時間も長いし、(さらに)能力の個人差も大きいから「ええい。残業代なんか無くしてしまえ~」と広告業界の経営陣は考えがちなのですが、ちょっと待ってください!

クライアントの課題をコミュニケーションで解決するのが広告人の使命ですが、解決方法を選択・決定するのはクライアントだけなのです。実例を挙げましょう。タグボートを創った岡さんは、クライアントでのオリエンテーションから会社に戻るタクシーの中でプレゼンのコンセプトが浮かぶような才能を持っています。しかし、、これをコンテに仕上げ、タレントと交渉し、メディアプランを考え、SPの展開をまとめ、その案の効果を検証するため調査をしていくには、他のたくさんの人の手と時間がかかるのです。そして会心のプレゼンをしても宣伝部長が分かってくれない、分かってくれても彼がその上の経営者を説得できない。はい、またやり直し~

ここのどこに「裁量性」があるというのでしょう。それを確保するには「いつでも仕事を断れる状態に自分の立場を持っていかなければ」なりません。これが岡さんが電通を辞めた理由の一つですね。

この業界では「優秀な人に、仕事が集中する」のです。“急ぎの仕事は忙しい人に頼め”という格言もあります。能力が高くない一部の従業員のダラダラ残業を管理できないのは経営側の問題であり、責任です。話の順序が逆なんです。そして、働いた分だけきっちり経営者に払ってもらえる仕組みを確保するのが従業員を代表する組合の使命なのです。

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ラジオ災害情報交差点

わたくしは朝の通勤時によくラジオを聞いています(TBSかJ-WAVE)が、今朝(1/17)の9時前に放送された「ラジオ災害情報交差点」を聞いてちょっと感動しました。

ラジオ災害情報交差点 - Wikipedia から

 毎年1月17日の阪神・淡路大震災発生日と9月1日の防災の日の各局午前8時台の番組内にて約8分間の模擬番組を放送実施している。
 番組内容はリレー形式で各局の防災キャスターやアナウンサーが7局同時生放送で出演し各局の災害への取り組みを紹介している。また、各局が毎回持ち回りで幹事社となり、ライフライン各社の協力で災害への取り組みを紹介している。
 実際に大震災が発生した場合は1時間に一回(約10分程度)各局の持っている被災者に向けた情報を共有し全局で放送を実施する。

「電通報」2003年9月8日 から

 同震災では、地震の被害者に比べ、火事などによる2次被害者が多かったといわれ、適切な事前対策と正しい情報があれば、被害を最小限にできることから、災害が起こる前の備え、起きた後の的確な情報の伝達が重要とされる。また、阪神大震災では、乾電池があれば聴けるラジオが、被害者の貴重な情報源となった。

最近、わたくしが興味を持っているテーマの一つに「メディアの公共性」というのがあります。まさにそれを考えさせる番組・取り組みでした。はたして大地震が起こった時に、人は真っ先に「Googleでnet情報を検索したり」「2chで、知人や自分にとって大切な人の安否情報を確認しようと」するだろうか? ということですね。

かつて広告労協で実施した模擬面接会の際に「ラジオの活性化について」という課題を出したことがあります。その時、ラジオのデジタル化について語った人はいましたが、このテーマに触れた人はほとんどいなかったように記憶しています。

もちろん、電波メディアが素晴らしくてnetがダメということではありません。当時(12年前)は「日本でのインターネットの商用利用・個人利用はまだ始まったばかりだったが、パソコン通信ネットワーク(「NIFTY-Serve」(現@nifty)など)の掲示板や電子会議室が、被災者情報や大学の休講状況などの情報交換に役立った。」とWikipediaにも書いてあります。n(信頼できる報道機関)対マス、の有効性も、n(個人)対n(個人)におけるネットワークの重要性も、ともに高いものであり並存可能だ、ということだと考えています。

そういった、込み入った議論は置いておいても。
ラジオ在京7局、NHKから民放のAM局、FM局とそれぞれのパーソナリティーがリレーして放送していく様は、その“人の声の温かさ”が何故か心を動かしてくれるのでした。

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