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血液型で性格は判断できない、ということ。

名コラム「広告業界就職ノススメ。: 健康診断するということは、内定したということ。」 に、

要するに、「健康診断はあくまで採用後の適性配置・健康管理のためにするものであり、採用決定のために実施するものではない。結果として就職差別につながる恐れがあるので、血液検査を採用時に実施するときには慎重にしてほしい。」という見解を、労働省(当時)が出したということです。いいかえれば、内定を出した後に、従業員に実施する健康診断と同様の位置づけで実施しろということになります。

という記述があります。ちょっと次元は違うのですが「血液型で性格は判断できない(参考にすらならない)ということ。」を述べたいと思います。幸い、わたくしの知る限り広告会社の選考に当たって「ABO血液型」を参考にしている会社はないのですが。(もし、あったら教えてくださいネ)

まずは、血液型と性格は関係があるか? というweb頁をご参照ください。冒頭に「結論」として、こうあります。

医学的・心理学的に血液型と性格の間には関連がない。血液型性格関連説は、差別・偏見を生む大変な問題である。

ここに書いてあることに加えて、補足することが3つだけあります。

(1)医学の常識。

ABO血液型というのは、赤血球と血清との凝集反応をもとにした型の分類のことですが、赤血球は血液の成分の中でも最も大きなものであり、それは血液脳関門を通過できないのです。映画『ハンニバル』をご覧になった方もお分かりだと思うのですが「脳は白い」んです。そもそも「脳に赤血球が到達していないのに、それが性格と関連があるはずがない」じゃありませんか? もっとも「いや、心は脳ではなく心臓にある」と反論する人が(仮に)いたとしても、それは「臓器移植にあたって、免疫系(白血球)の違いは関与があるけれど、ABO血液型は無関係」であることを考えれば、答えは明らかでしょう。

(2)「有る」ことと「無い」ことはどう違うのか。新しい法則を見出す時に取るべき科学的態度とは?

上記のようなことを言うと、必ず「科学的医学的に証明されていなくても、『関係ない』ということは証明されていないのだから、可能性を否定することはできないんじゃないですか?」と反論する人が出てきます。岡山大学で心理学を教授されている長谷川芳典先生が、自身の「じぶん更新日記1998年9月24日」でこう述べています。

デジタル技術の進歩のせいかどうか分からないが、ともすれば、「無い」を「0」、「有る」を「1」というように、排他的に物事をとらえがちである。この論法でいけば、「無い」を否定すればすべて「有る」ということになるのだろうが、現実はそんなに単純ではない。 未知の生命体とか新しい法則を見出す時に取るべき科学的態度は、「とりあえずは無い」という帰無仮説を立てた上で、「有る」という可能性のある事象を徹底 的に検証し、偶然とは言い難い存在なり特徴が安定的に確認されたときに初めて、その事象に限って「有る」という結論を下すのである。

別の例をあげれば、こういうことです。「UFO」というのは実在します。なぜならUFOとは「未確認な飛行物体」のことで、それは過去の事実として記録されているからです。しかし「UF0には宇宙人が乗っている」ということが実証されたことはありませんよね。「いや、私は人類より知性の高い生命体がUFOに乗って地球に来ていることを“信じて”います」という人がいても構いません。信じる信じないは個人の自由ですから。

「血液型と性格は関係がない」ということを、証明する必要はないのです。証明する必要があるのは「ある」という仮説を持った人たちであり、彼らが再現可能な事実によってのみ「関係がある」ということを立証できるのです。それまでは「とりあえずは無い」と認めることが、知性ある人間の態度というものです。

(3)統計学の基本とは?

「ある調査の結果、血液型と性格に関連があるということが分かりました」という場合には、大きく2つの欠陥があります。ひとつは調査の基本がなっていない、ということ。もうひとつは、この血液型ステレオタイプ化が浸透してきているという事実です。「A型の人がますますA型的性格になるという変化が、穏やかながらもここ数十年で生じてきている」という報告もあるくらいです(笑)←こんなバカバカしいことが起こっているのは、日本(と韓国だけ)です。

“破壊と創造という過程を考え、そう実行している人(奥田碩・経団連前会長の小泉評)”のどこが、“A型は、周囲との和を大切にする慎重派タイプ(一般的なA型タイプ)”なんでしょうか? しかしながら、首相官邸HPで総理のプロフィールとして「血液型」が記述される(ちなみに晋ちゃんはB型だそうですよ:“マイペースで行動的な自由人タイプ(一般的なB型タイプ)”←どこが!w)……、某民間放送の野球中継で選手の成績とともに血液型が表示される……。「輸血時に必要だからという理由ではないはず。」(笑) この国の風土は異常ですね~

極めて個人的な話になりますが、先日小学生の娘が肺炎に罹りまして血液検査をしたらO型でした。わたくしがA型(AO)で母親がO型ですから、当たり前なんですけれど。彼女に「血液型と性格は関係ないんだからね」というと「そんなことないよー、雑誌にも書いてるし皆言ってるもん」。あのねえ──(以下略)

話を最初に戻しますと。「広告業界就職ノススメ。: 内定前の健康診断問題」 は、広告労協の活動らしいシリーズなので、一度(就活生だけではなく)採用ご担当者及び人事担当役員にはぜひ読んでいただきたいところです。

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Comments

業界最大手のD社の社員における血液型別構成比と、日本人平均の血液型別構成比とでは、明らかに統計的に有意な差があり、それが歴史的に継続している、という事実は、業界内ではけっこう有名です(B型が多い)。確か、「気まぐれコンセプト」でもネタにされたことがあったと思います。
もちろん、血液型で採用しているワケではないのですが、結果論としては顕著に現れています。
日本と韓国で血液型論がハヤるのは、この両国においては、1.人類史的には比較的近年(新石器以降)に、2.量的に近い複数の民族集団の混成によりそのルーツが作られ、3.民族ごとに文化や習性が大きく異なるとともに、4.母体となった民族ごとに血液型の構成比が極端に異なる、という共通項があるからだと思われます。
個々の人間ではわかりませんが、集団となると「どっち系」か、血液型の構成比から、統計的に判定できます。

Posted by: とある業界人 | 2007.02.23 at 09:34 AM

>とある業界人さん、
 いつもコメントありがとうございます。
 コメ来ると思ってました(笑)
 D社にB型が多い、という話はもちろん知っています。
 たぶん事実でしょう。
 ただ「統計的に有意な差ある」ことと、そこに因果関係があることは違います。「統計的に判定する」ことと、人間を正しく理解する(判断しようとする)ことは、次元の異なる話です。「個々の人間ではわかりません」。まさにこの点が重要なんだと思います。
 血液型で採用したり、配属を決めたりするということが、もしあれば、それは占星術で経営判断するのと変わらないと思います。そんな企業(経営者)は終わっています..既に.終わってたりして(爆)

Posted by: 挨拶専用85 | 2007.02.23 at 12:53 PM

はじめまして。血液型と性格の関係について興味のある者です。


>個々の人間ではわかりませんが、集団となると「どっち系」か、血液型の構成比から、統計的に判定できます。

というのは科学的には根拠はないと思います。少なくとも、統計学的な見地からの批判に耐えうるような明確な形で示されたことはないはずです。せいぜい、「D社の社員には明らかにB型が多い」という程度でしょう。「納豆をたくさん食べて体重を減らした人をたくさん知っている」と同レベルです。「統計的に有意な差がある」というのであれば、どなたかが有意差検定を行なったはずですので、教えていただきたいです。

Posted by: NATROM | 2007.02.24 at 09:43 PM

>NATROMさん、
 コメントありがとうございます。
 ただ、文末の「教えていただきたいです。」というのはお控えくださいませ。コメント欄は議論の場ではないので。
 お二人(とある業界人さん、NATROMさん)ともわたくしからいたしますと名うての論客ですから、こんな小さな庭で議論が始まってしまうと正直困ってしまいます(笑)
 ほら、とある業界人さんだって
> 「気まぐれコンセプト」でもネタにされたことがあった
 と書いているように、単なる話のネタなんですから。わたくしがいいたかったことは「議論のネタになるような不確実な仮説を論拠にして他人を判断するのは間違っている」ということだけです。

Posted by: 挨拶専用85 | 2007.02.25 at 12:24 AM

レフリーストップが入ってしまいましたので、ヒトコトだけ。

「日本人の由来」を科学的視点からマトモに論じた本なら、どの本にも載っていますが、縄文人は現代日本人平均より、B型の出現確率が統計的に有意に多く、逆に、弥生人・渡来人は、A・O型の出現確率が多くなっています。
現代日本人でも、この比率は地域により違い、先祖代々のネイティブな出身者を対象に調査すると、北九州から中国、近畿地方ではA・O型の比率が高い一方、南では、鹿児島や奄美、沖縄、北では青森に向かって、キレイな傾斜をなしてB型の比率が高くなって行きます。
これは、先住の縄文系に対し、その後にやってきた弥生・渡来系が、その勢力を拡大しながら、棲み分け、また混血を繰り返した結果とされています。
そういう意味では、世の中の血液型論は原因と結果が逆です。その集団が縄文系か弥生・渡来系かという判定は、血液型の比率の分析から可能であり、そこから伝統や文化の違いも説明できる、ということです。

Posted by: とある業界人 | 2007.02.26 at 12:27 PM

以下のURLに返事を書きました。

http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20070226#p1

Posted by: NATROM | 2007.02.26 at 11:56 PM

性格を研究するなら、血液型という枠から一旦はずれるべきだろうと思う。
狭い枠組みで、「肯定」「否定」を論じ合っても意味が無い。

現状としては、
既に海外では性格の遺伝子が発見されている。
そのすべてが、血液型を決定する染色体にあれば、
遺伝学的に立証できるのだが、残念ながら遺伝学的には無い。

血液型物質(糖鎖)が脳に影響を与える
という意見もあるが、
脳細胞が糖鎖を認識する蛋白質があれば、
話はわかるが、聞いたことは無い。

ヴァイアラス・細菌が免疫で駆除されなければ、彼らのもつ多々の糖鎖も脳に影響を与える可能性があり、性格が変わると言うことだ。
ありえない。

最後に、マスコミへの不満点等をいくつか。
N氏一族はマスコミの人間であり、理系とはいえ、生物・精神医学からかけ離れた分野の専攻者であること。マスコミの言う、科学のほとんどは統計学的検証のみであること。マスコミの科学は、Whyから始まりReasonを導き出すが、実際の科学はHowのみであり、断定的表現も少ないということ etc

血液型性格にかかわらず、科学番組のほとんどは信用性に欠けると思うのですが、筆者はどうなのでしょうか?

Posted by: 長くなってまとまらないorz | 2007.03.02 at 08:36 AM

脳にABO血液型の抗原はありますよ。
まぁ、それと血液型と性格が関係するかどうかは別問題ですが。
せっかく科学的な話になっているのに、間違った知識で判断するのはいかがかと思います。

Posted by: 通りすがり | 2007.03.04 at 11:20 AM


あ、そう。

Posted by: 挨拶専用85 | 2007.03.04 at 11:52 PM

はい、数年前から性格検査と血液型、統計分析しているよ。数千人単位で。で結論は統計学上においても性格と血液型には、何の相関もないよ。学校にも職業にも。友人評価もしてみたけど、まったくないんだなこれが。もちろん無記名でデータとっているよ。統計学と心理学はわたしにお任せ。

Posted by: ワシ統計学7年教えてた人 | 2007.12.06 at 03:19 AM

>ワシ統計学7年教えてた人 さん、
 コメントありがとうございました。
 最近発見したweb頁では、これが面白かったですね。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/15/1/15_33/_article/-char/ja
「疑似性格理論としての血液型性格関連説の多様性」

Posted by: 挨拶専用85 | 2007.12.07 at 06:12 PM

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